以前に当ブログでご紹介した、ステージIVの肺がんで闘病中だった緩和ケア医の関本 剛君が4月19日永眠されました。
この1ヶ月、悲しみを抱えながらブログに上げるかどうか逡巡しておりましたが、先日、NHK神戸の番組で彼のお母様(緩和ケア医)が、「これからも息子の思いを伝えていきたい」と語られているのを見て決心いたしました。やはり一度ブログでご紹介した以上、その結末をお知らせする責任がありますし、報告することで、皆様に彼の生き様を改めてお伝えできると思ったからです。
家族葬だったため、私も最期の様子は知らなかったのですが、状態が急変した後、緊急手術を受け、亡くなる3日前に自宅に戻って、お子さんの声に笑顔を見せ、最期はご家族に見守られながら穏やかに旅立ったそうです。残されたご家族の悲しみを想うと苦しくなりますが、著書の中で彼が恐れていた、脳転移の影響で性格が変容してしまう状況にはならず、本当に良かったと思います。
宣言通り、彼は最後の最後まで緩和ケア医としての務めを果たしました。ただの緩和ケア医としてではありません。「私も末期がんなんです。私と一緒に頑張りましょう」という、患者さんにとってこれ以上ない励ましの言葉をかけられる医師としてです。どれだけの患者さんがその言葉に勇気づけられ、不安を和らげることができたでしょう。同じ医療に携わる者として、心から尊敬し、感謝しています。本当に立派な男でした。
彼はもういませんが、その想いはこれからも生き続けます。
どうか皆様、こういう医師がいたということを記憶にとどめてやってください。そして彼が残したメッセージを皆様それぞれが解釈し、人生に役立てて頂ければ彼も本望だと思います。
さて、残された私はこれからどう生きていくか。
「おれは生きたぞ。お前はどうする?」彼からそう問いかけられている気がしてなりません。いつまでもくよくよしている場合ではありませんね。
最期に。
剛ちゃん、どうか安らかに。またいつか向こうで会おうな。